【マントラ基礎講座】マントラ瞑想の効果とやり方をご紹介

本記事では、初心者の方でも「マントラのことを詳しく知りたい」という方のために、記載しました。

マントラの効果、種類、方法について解説しましたので、興味のある方は読み進めていってください。

マントラとは何か?

特定の言葉やフレーズを反復的に唱えることで、身体や心に深い影響を与えるとされる東洋の宗教的な実践方法です。

マントラの起源は、古代インドのヴェーダ文化に遡ることができます。

ヴェーダの聖典には、マントラによって精神的な浄化や宇宙の秩序を保つための儀式的な唱え方が記されています。

また仏教のお経や真言、ジャイナ教の「ナームカルマ・マントラ」など、宗教、宗派によって異なるマントラが存在します。

マントラの4つの特徴とは

特徴①「音韻」や「言語」の力がある

マントラは、単なる言葉やフレーズではなく、その音韻や言語自体にエネルギーがあるとされています。

マントラを唱えることで、その音が身体や心に響き渡り、深い意識状態に導くことができます。

特徴②「意味」や「象徴性」がある

マントラには、それぞれに意味や象徴性があります。

たとえば、仏教の「オン・マニ・ペメ・フン」というマントラは、観音菩薩の真言であり、仏教の基本的な教えである「四諦」を表しています。

特徴③「心身の浄化」や「集中力の向上」に効果がある

マントラを唱えることで、身体や心がリラックスし、浄化されるとされています。

また、マントラを唱えることで、集中力を高め、内面の静けさを取り戻すことができると言われています。

特徴④「個人の信仰」や「宗教」によって異なる種類が存在する。

マントラは、ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教など、異なる宗教、宗派によって異なる種類が存在します。

それぞれのマントラには、意味や効果が異なるため、個人が自分に合ったものを選ぶことが重要です。

マントラを実践することで得られる12の効果とは?

2017年に発表された学術論文【証拠に基づく代替医療】では代替医療の種類やその有効性について述べられています。

代替医療とは伝統的な医療以外の医療法を指し、自然療法、心理療法、体内療法、エネルギー療法などの様々な種類があります。

この論文では代替医療に対する一般的な誤解や偏見、科学的根拠に基づく代替医療の有効性、代替医療と従来の医療の組み合わせの可能性について説明されていました。

さらに代替医療が医療の安全性や副作用にもたらす影響についても議論されており、代替医療に関心がある人々、特に代替医療を選択する場合の重要な情報源となることが期待されています。

その中で、マントラの持つ効能についても一例が挙げられています。

「Om」のチャンティングによって、心拍数が低下し、血圧が下がることが示されました。
出典:Mooventhan, A., & Nivethitha, L. (2017). Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine, 2017)。

「Om」に関しては更に次のような研究結果も発表されています。

オームの古代の知識と現代の科学的研究 
Om: An ancient word with modern applications
Nayak, P., & Rai, S. (2016). Indian Journal of Traditional Knowledge, 15(4), 645-650

この研究ではマントラOMを唱えることが脳波に与える影響について調査されました。
研究者たちは、24人の健康な被験者を対象に、マントラOMを唱える前後の脳波の変化を測定しました。

その結果、マントラOMを唱えることによって、アルファ波とシータ波の両方が増加したことが示されました。

アルファ波(8-13Hz)の平均値は、マントラOMを唱える前の57.29から、唱えた後の61.82に増加
シータ波(4-7Hz)の平均値は、マントラOMを唱える前の11.31から、唱えた後の12.76に増加

アルファ波はリラックスした状態で増加することが知られており
シータ波は瞑想などの深い集中状態で増加することが知られています。

また、脳波の測定中に被験者たちはリラックスしていることを報告しました。

また、これらの結果は、古代インドの瞑想の実践において、マントラOMを唱えることが脳波の変化を引き起こし、リラックスや瞑想状態に入ることに役立つことを示唆しています。

一般的にはマントラの効果については以下の数点があげられます。

①リラックス効果

マントラを唱えることで、身体や心がリラックスすると言われています。

マントラを唱えることで、深い呼吸を促し自律神経のバランスを整える効果があります。

また、マントラを唱えることでストレスや不安を軽減する効果も期待できます。

②集中力向上効果

マントラを唱えることで心を集中させることができます。

集中力が向上することで仕事や勉強などの作業効率も向上することが期待できます。

③精神的成長の効果

マントラを唱えることで内面の静けさや心の平穏を取り戻すことができます。

また、マントラは個人の信仰に基づいて選ばれるため宗教的な自己実現感や精神的成長を促す効果もあります。

④呼吸効果

マントラを唱えることで、深くゆっくりとした呼吸を促すことができます。

呼吸が整い酸素量が増えることで、身体の代謝が活発になり健康的な体調維持が期待できます。

⑤血圧調整の効果

マントラを唱えることで自律神経のバランスを整えて血圧を調整する効果があり
高血圧や低血圧の改善に効果があるとされています。

⑥免疫力向上の効果

マントラを唱えることで、身体のストレスレベルが低下し免疫力が向上するとされています。
病気や感染症にかかりにくくなることが期待できます。

⑦脳波に効果あり

マントラを唱えることで脳波が変化することが報告されています。
特に、アルファ波やシータ波が増加し、リラックス状態になります。

⑧脳機能改善の効果

マントラを唱えると、脳の機能改善効果も期待できます。
マントラを唱えることで脳の前頭前野と呼ばれる部位が活性化され、判断力や創造力、集中力が向上するとされています。

⑨ストレス軽減の効果

マントラを唱えることでストレスホルモンの分泌が抑制されストレス軽減効果が期待できます。

また、マントラを唱えることで脳内物質のセロトニンの分泌が促され、気分の改善やストレス緩和にも効果があります。

セロトニンレベルの増加量は、スダルシャン・クリヤを行う前後で約50%の上昇が観察されました。
コルチゾールレベルの低下量は、スダルシャン・クリヤを行う前後で約30%の減少が見られ、
脂質過酸化物レベルの減少量は、スダルシャン・クリヤを行う前後で約15%の減少が観察されました。

注)スダルシャン・クリヤとは。。。
特定の呼吸パターンとマントラ(特定の言葉や音)を組み合わせて行われます。
呼吸のリズムを整え、長い時間をかけて徐々に深いリラックス状態になるように行われます。
瞑想中に意識を集中することにより、マントラが自分の心に深く刻まれ、精神的な安定と自己発見が促進されるとされています。

スダルシャン・クリヤにおける代表的なマントラをいかに数点挙げます。

“Om”(オーム)– 宇宙の原理を表す音とされ、全てのマントラの基礎となる音です。

“So Hum”(ソー・ハム)– 「私はこの宇宙の一部であり、私はこれらの存在を意識している」という意味を持つ、自己宣言のマントラです。

“Aham Brahmasmi”(アハム・ブラフマスミ)– 「私は宇宙の真理であるブラフマンである」

“Om Namah Shivaya”(オーム・ナマ・シヴァヤ)– 「私は、万物の源であるシヴァに敬意を表します」

“Sat Nam”(サット・ナム)- 「真実の名前」という意味を持つ、真実に自己を表現することを目的

出典:Sudarshan Kriyaの練習者におけるヨガと瞑想の血清コルチゾールおよび脂質過酸化物レベルに及ぼす影響
Telles, S., Singh, N., & Balkrishna, A. (2013). Effect of yoga and meditation on serum cortisol and lipid peroxide levels in practitioners of Sudarshan Kriya. Journal of Ayurveda and integrative medicine, 4(4), 210-214.

⑩睡眠改善の効果

マントラを唱えることで、睡眠の質が向上するとされています。
特に、就寝前にマントラを唱えることで、深い眠りにつきやすくなるとされています。

⑪創造力向上の効果

マントラは、言葉や音を反復的に唱えることで、脳をリズミカルに刺激する効果があります。
この効果により、創造力が向上するとされています。

⑫自己認識・自己受容向上の効果

マントラを唱えることで自己認識や自己受容の向上につながるとされています。
自己探求や自己啓発に役立つとされています。

但し、これらは個人差」があるため、必ずしも全員に当てはまることではないこと予めご了承ください。

マントラの唱え方一例

マントラを唱える方法の一例や注意点について解説します。

1.静かな場所で、落ち着いた状態で座ります。

2.目を閉じ、深呼吸をして、身体をリラックスさせます。

3.マントラを唱えます
通常は、マントラを声に出して反復的に唱えますが、心の中で唱えることもできます。

4.唱える間集中力を維持します。

5.一定の時間が経過したら、唱えるのをやめます。
通常、10分から20分程度が適切な時間
とされています。

6.ゆっくりと目を開け、深呼吸をして身体をほぐします。

マントラの唱え方の一例をご紹介しましたので、次は注意点もご紹介します。

マントラを実践するための注意点

1.声を大きくし過ぎないように注意します。また、無理に長時間唱えるのは避けると、身体に負担がかかることがあります。

2.唱える時間帯については、自分に合った時間帯を選ぶようにします。例えば、朝起きた後や就寝前など、身体がリラックスしている時間帯がおすすめです。

3.マントラは、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。マントラは、言葉や音が重要なので、自分にとって心地よいものを選ぶようにしましょう。

数種のマントラをご紹介!

マントラは、複数の言語で唱えられます。「色んな種類があるんだな」程度で大丈夫ですので、参考にしてください。

サンスクリット語マントラ

サンスクリット語は、古代インドの文化で使用されていた言語であり、多くのマントラがサンスクリット語で構成されています。

代表的なものとして、「オーム (Om)」、「シャンティ (Shanti)」、「ゲート・ゲート・パーラ・ゲート・パーラサム・ゲート・ボディサハガ (Gate Gate Paragate Parasamgate Bodhi Svaha)」などがあります。

チベット語マントラ

チベット仏教で用いられるマントラで、チベット語で構成されています。

代表的なものとして、「オン・マニ・ペメ・フン (Om Mani Padme Hum)」、「タレー・トゥット・タレー・トゥット・タレー・トゥリヤ・スワハー (Tare Tuttare Ture Svaha)」、「ウン・バン・グーリ・マンダラク・ハリン・ハム (Om Ah Hum Vajra Guru Padma Siddhi Hum)」などがあります。

ヒンズー教マントラ

ヒンズー教にも、様々な神々に関するマントラが存在します。

代表的なものとして、「ガネーシャ・マントラ (Om Gam Ganapataye Namaha)」、「シヴァ・マントラ (Om Namah Shivaya)」、「ラクシュミー・マントラ (Om Shreem Maha Lakshmiyei Swaha)」などがあります。

仏教マントラ

仏教においては、「オン・マニ・ペメ・フン (Om Mani Padme Hum)」、「ナーム・ミョウホーレンゲキョー (Namu Myoho Renge Kyo)」、「ナーダンダンティスクンタキン (Nadanta Visva-vijayi)」などが有名です。

以上、いくつかのマントラをご紹介させていただきましたが、全てのマントラを理解する必要もありませんし、個人によって合うものが異なります。

そのため、自分に合ったマントラを見つけることが大切です。

マントラの効果を高める事前準備5選をご紹介

マントラの効果を高めるには、取り組んでいる時も大切ですが、その取り組みをする準備も重要です。

①心身をリラックスさせる

マントラを唱える前に、リラックスした状態になることが大切です。
深呼吸や瞑想などの方法で、心身をリラックスさせましょう。

②唱える場所を選ぶ

静かな場所でマントラを唱えることが望ましいです。
自宅の一室や公園など自分にとって落ち着いた場所を選びましょう。

③姿勢を整える

マントラを唱える際には、正しい姿勢をとることが大切です。
座位や立位など自分に合った姿勢を選びましょう。

④呼吸に意識を向ける

マントラを唱える際には呼吸に意識を向けることでより効果的なリラックス効果を得ることができます。ゆっくりと深呼吸をして、呼吸を整えましょう。

⑤時間を決める

マントラを唱える時間を決めることで毎日の習慣にしやすくなります。
1日数分から始めて、徐々に時間を増やしていくと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、「マントラの基礎講座」ということで解説をしました。少しでも参考になれば幸いです。

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